メガネ君がどんどんダメ人間になっていく過程を生暖かく見守るサイト。


by rockaway-beach

カテゴリ:中国地獄変( 3 )

第三回 回天編

 中国に来て一番感動したこと。それはきっと……

「フィッシュベット! フィッシュベットじゃないか!」

 大連空港に泊まっていたり、大連に宿泊中に空を飛んでいったMiG-21(通称、フィッシュベット)だったのかもしれない。生ミグは初体験でした。マジ感動。(挨拶)

 そんなこんなで、北京空港にきて思うこと。

「大連でフィッシュベットなら、北京じゃフルクラム(MiG-29)とかフランカー(Su-27)とか……」

 むろん、そんな東側の秘密兵器的存在がそうそう見れるわけないわけで。大連空港は軍港としても使われているそうです。

 そしてこんなこと気にするのは男の俺一人というわけで。一人だけちょっとブルーな感じで北京に到着しました。

 初日は北京の下町、胡同めぐりでした。つまり四合院という建築様式の家々のことなわけですが、この中国古来の四合院も最近はめっきり廃れて、今では寧ろ金持ちが住むところだとか。

 そこを人力車でめぐるわけです。ん? 人力車って、登場者数二人ですか? 

 ………マジで?

 仕方ないっす、仕方ないんです、といった感じで、お隣に座ってくれた子マジありがとう。おかげで恥かかずにすんだ。

 次は北京ダック賞味。………とは言っても俺以外は皆さんグロッキー。今にも死にそうな表情。ありえない。死相とか出てる。てか慣れない土地で旅行中に徹夜とかするからそうなる。

 皆さんもなるべく旅行中は早寝早起きが鉄則ですよ。特に慣れない土地では。

 で、噂の北京ダック。……うん、たしかに美味い。美味いんだが。

 全然食った気にならねぇ。

 自分には牛丼や豚丼が一番口に合うんだなぁと認識。

 そんなこんなで俺以外はグロッキーになりながらホテル到着。そこから北京一日目最大のイベントが始まった。

 俺はガイドさんの薦めに従い、「本場の少林寺劇」というのを見に行った。やばそうなのはみんな部屋に戻り、俺同様にピンシャンしてた連中だけが実費で見に行ったのである。

 タクシーに乗り込み、劇場につく。相変わらず交通マナーは日本とは比べ物にならないほど悪い。

 俺たちは何故だかよく分からんが、一番前列で観劇することになった。そこで待つこと数分。

(観劇中)

 …

 ……

 ………

 多分、中国に来て二番目くらいに感動した。

 その後、ホテルに戻り、俺はバーに直行。そこで慣れない中国語を駆使して、といえば格好はつくのだろうが、慣れない英語を駆使してウイスキーを注文。

 ちなみにジョニーウォーカー黒ラベル。日本人大好きの高級酒。最近は安くなってボトル3000円くらいで飲めますが。

 旅先ですから奮発しました。まあ、他にボトルの名前が分からんかった、ってのも理由の一つ。最近飲んでる安ウイスキーよりも味が濃厚だった記憶があるよ。飲みにくい酒でした。

 まあ、実はコレが俺の初ウイスキー体験だったわけで。こんなところでも酒飲みに中国来た感じがある。

 翌日はとにかく歩いた。

 まず第一印象。

 デカイ

 そりゃもうデカイ。スケールが違う。

 なにせ故宮って、建てたときにのけた土で山が出来るんだぜ? もうアホかと、バカかと。

 別荘作るのにわざわざ湖まで作るかよ普通。水平線こそ見えないけど、向こう側霞んで見えるぞ畜生。

 マジでこんな感じ。もうツッコむ気力もなくなるようなスケール。それが中国。それが奴ら。

 そんな調子だからもうあれよ、天安門広場とかありえないから。

 俺もいい加減疲れ果てるほど。うん、頑張った俺。自分へのご褒美としてビールを買ったよ。手酌で飲んだ。うん、女の子達なんて関係ないさ。……薦めても飲まないのはそっちじゃないか。 

 その翌日。北京三日目。

 この日に行ったのは北京郊外、万里の長城。

 ………これまた唖然とするスケール。

 どこどこまでも伸びる竜の背って感じに形容できるかも。本気で地平線の向こうまで伸びてるから始末に終えない。

 まあ地平線見えなかったけど。スモッグで。

 鼻かめば黒いモノが見える土地ですから、四六時中スモッグがかかってるのもデフォです。マジで。

 で、万里の長城の一般登坂路には、男坂と女坂ってのがあるらしい。

 男坂は険しく、女坂はなだらかであるという。

 もちろん、俺が選ぶのは男坂。止めてくれるな諸君。男にはやらねばならぬ時があるのだ……

 で、男坂登坂開始。

 ………予想外に傾斜がきついぞこれ

 30度くらいあるんじゃないの? ってくらいの傾斜角。うんマジキツイ。

 だがまだ俺は登り始めたばかりだからな。この果てしなく長い男坂をよ……

 そんな打ち切り漫画っぽい決心(これが言いたかっただけ)をして、登り続けること数十分。

 そこでメガネ君の目に飛び込んできたものとは……

「KEEP OUT」

 ………行き止まりだってさ。

 ためしにその向こう側を覗いてみると。

 ………ありゃ駄目だ。

 そんな感じでGET BACKさ俺は。

 ちなみにこの後の自由行動で、俺はさんざんCDを買った挙句に道に迷いました。一人で。

 しかも中国人ネイティブの方に道を聞かれました。苦笑いして逃げました。俺マジヘタレ。

 そんなこんなで、北京の三日間は過ぎ、一旦大連に戻ることに。

 しかしここで問題発生。飛行機が一時間遅れるらしい。

 ここで男を見せようかとか思って、お菓子を買いに行く俺。……でもね、無理。買っても誰も食わないんじゃないのとか思って結局買わない俺へタレ。

 そんなこんなで再び大連到着。大連よ、私は帰ってきた!

 ここではプチホームステイをやるんだとか。

 よーし、メガネ君女の子の背中に隠れてこそこそやってやるぞー! orz

 そんな潔いのかヘタレなのかよく分からない決心をして、おうちに到着。

 うん、綺麗なお宅ですね。もう昼も二時なのに昼食ですか。しかもこんなにいっぱい。

 え? お前ら食わないの? マジ? ちょっと失礼じゃね?

 ……なんだよその目は。分かったよ、食えばいいんだろ? 食ってやるさ!

 食ったよ! 食った! ビールも無いのに良く食ったよ俺。自分に乾杯。このおかげで、美味いはずの晩飯がほとんど食えなかったがな。ええ、怨んでなんかいませんよ。いませんとも。

 そうして、ようやく帰国となるわけで。

 俺の帰国第一声、「……どうにか生還できたなぁ」

 ………御免、結局この一言に集約されるわ、俺の初海外旅行は。
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by rockaway-beach | 2005-11-20 20:42 | 中国地獄変

第二回 青雲編

 さて、無事中国初日を乗り越えたメガネ君。

 ちなみに自家発電はネタが無かったので二週間ほどおあずけでした。ある意味地獄。なにせ暇つぶしに持ってきたのは小説ばっかり。……MD持っていくべきだったな。

 翌日はネイティブの中国人教師の中国語授業。

 ………先生! なにを言っているのか分かりません!

 はい、こんな調子で初日が終わる。そしてその夜、俺たちの歓迎会が催される。

 ここで豆知識。中国ではつい最近まで未成年の飲酒に対する法が無かった。ゆえに、こういう公式な席でも酒をバンバン勧められるのである。

 で、もう一つ豆知識。中国の「乾杯」は、基本的に注がれた酒を一気飲み。

 郷に入っては郷に従え。ええ、やりましたよビールで。調子に乗ってカパカパ空けましたとも。ほぼ飲んでたの俺だけだったけどな!

 べろんべろんに酔っ払って就寝。

 二日後、現地で友達になった日本人留学生の方々と日本料理店で飲み。

 中国で日本酒が飲めるとは思わなかった。あとてんぷらとか刺身とか。翌日見事にあたったけどな。

 さらに二日後。またその人たちと飲み。

 調子こいて飲みまくる。俺の固有スキル、笑い上戸が発動。マジで店に迷惑をかける。露天でよかった。マジで。

 その三日後くらい、こっちに編入してた先輩と飲み。

 日本料理の飲み屋で二人で飲みました。上手い酒だったよ。

 ……つまり、何が言いたいのかというと。

 俺、酒飲みに中国行ったようなモンなんだなこれが。

 酒飲んだ以外の思い出も一杯あるけどさ、一番記憶に残ってるのが酒。

 これでいいのか俺? まあいいに違いない。多分。

 そんな最中、引率の先生にこんなこと言われた。

「ああ、歓送会のスピーチはメガネ君がお願いね?」

 …

 ……

 ………

 Why?

 今なんて言ったTeacher? たしかに歓送会のスピーチやる人間は授業の様子を見て決めるって言ってたけど、え? 俺?

 無理無理無理。だって俺、多分このコースで一番馬鹿だよ間違いなく。だって俺、中国語の成績「可」だったもん。三段階で。

 そんな俺にスピーチ? ちょっwwwwwwwwwwwwまっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwうぇっうぇぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 まあ、こんな感じで内心取り乱しつつも、「は、はい分かりました」とか言ってしまう俺アホスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 後日談ではあるが、やっぱりなんか文句とか上告とかあったらしい。まあ俺自身もありえないとか思ってたから別にどうでもいいんだけど、やっぱり軽くハートブレイク。

 そんな感じで瞬く間に二週間が過ぎていきましたよ。途中で女の子が熱出したり、ぶっ倒れたり、本当に色々ありましたが。

 え? 俺? 俺は病気もせずに快調に二週間を過ごしたよ。軽く腹痛に悩まされたくらい。

 やっぱり異国では、「食えるだけ食って早く寝る」。コレが一番だね。どうせテレビなんて中国語でわかんないし。

 あー、あと全体行動だからって女の子達の買い物に付き合わされたりとかしましたよ。パチモノ買いに行ったりとか。俺は細々とCD買いあさってたけど。安いんだわ、CD。日本円にすると200円くらいで買えるんだ。

 ―――大連は元々ロシアの植民地だったが、後に日本の植民地となり、最終的には中華人民共和国の領土になったのである。

 この歴史どおり、日本人街から少しばかり離れると、色とりどりのロシア風建築物で街が埋め尽くされてたりします。見た感じネズミの国。

 そんなところでお茶が売ってるんだからミスマッチにも程がある。店員さんは美人でチャイナドレスでした。いや眼福眼福。

 そんな最中、先生は言うんだ。

「メガネ君、スピーチできた?」

 先生、無理です。そう言いたいのを男の子だからグッと我慢して、どうにかこうにか原稿を仕上げる俺。

 そこで先生ダメ出し。

「あのさメガネ君、ここの文法前期で習ったよね?」

 習ってねぇよ。もしくは記憶してねぇよ。

 コレでは埒が明かないから、俺たちを担当してくれてる大連外国語大学の日本語科の人に聞いてみる。

 ………本当に癒されるなぁ。優しく教えてくれて。

 よし、これで原稿完成。先生、見ろ! コレが愛の力だ!(違う)

「よし、じゃあ発音してみて」

 ………

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 Oh,ジーザス………

「正直、四声(中国語の基本的イントネーション。コレが出来ればまず伝わる)がまず出来て無いよね」

「iとuの発音が出来てないよ。前期本当に授業受けてた?」

「あー、ダメ」

 ………前略、母上様。帰っていいですか?わりとマジで。

 後日談になりますが、結局公式の席で発表するには正直下手すぎ、ということで、同行してた先輩(女性です)に読んでもらうことになりました。先生は慰めてくれましたが、俺は正直やらなくてよくなってホッとしてた。

 そんなこんなで歓送会。そして二週間で仲良くなった皆さんとの別れ。いつか会おうぜとかニヒルに笑いながら、横目でクラスメイトのチャイナドレス姿に目を奪われてた俺は正常な神経の持ち主だと思います。

 会場で隣の席の子は、ミニスカチャイナだった。なんの拷問だこれは? 生足が致死量。

 仕方ないからビール馬鹿飲み。逆隣の日本語科の人とばっか話してた。いい人でした。

 余談。会場までのバスで隣になった九州大の人。なんだか同類のオーラを感じたので話しかけてみたら、けっこう話が弾みました。

「ところで、何を勉強されているんですか?」

「ああ、歯学ですよ」

 ………頭のいい人だった。

 翌日、未明に出発。朝も早いのに、みんな見送りにきてくれた。ちょっぴり泣きそうになった。

 そんな感じでセンチメンタルに北京へ出発。とりあえず、お前ら寝ろ。(前日、女の子達は徹夜だったらしいです。普段でも三時寝とかだったとか。そりゃ倒れるわ。ついでに俺は中国では八時就寝。……俺もアホか)

(そんなこんなで次回に続く)
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by rockaway-beach | 2005-11-19 21:03 | 中国地獄変

第一回 立志編

 この日、メガネ君は富山空港に立っていた。重い荷物を背中に担いでいた。

 日時は8月15日。奇しくも終戦記念日であった。

 そして、彼は機上の人となった。メガネ君、人生最初の海外旅行であった。







 駄目人間黙示録・特別編 「中国地獄変」






 中国は大連、遼東半島の先端に位置する避暑地である。太平洋戦争当事は日本の領土であり、ところかしこに昭和日本らしい建築物を残す土地であった。

 メガネ君が機を降りて初めて感じたことは、空気に油の臭いがすることだった。

 異国に行くと、その土地の特産物の匂いが空気に混じっている気がするらしい。確かにそのとおりだと思った。

 そしてメガネ君は背後を振り返る。

 ………そして現実を確認した。

 この異国で、俺は男一人。日本語の通じないこの異国で、男一人!

 正直、一日目にしてすでに挫けそうだったのは確かである。



 税関を抜けて、真っ先に思ったこと。

 暑い。

 おい、大連は避暑地のはずじゃなかったのか! 8月でも涼しいはずだろ!

 そんなうだるような熱気のなか、メガネ君の脳裏には機内で上映されてたト○とジェ○ーが駆け回っていた。うん、末期だね。

 で、そこでようやく二週間ほどお世話になる、大連外国語大学からのバスが到着した。

 まあ、バスっつってもマイクロバス。まあコレくらいは覚悟してたよ、うん。

 乗り込んでさらに思う。みんな荷物多すぎ。 

 俺なんてスポーツバック一つといつも使ってるトートバック一つ。これでもむしろ多すぎるんじゃないかとか思ってた。

 甘かった。俺が甘かった。

 なにそのスーツケース。ありえない。そんなに何がいるの? ってか名前出さないけどお前、軽音だからって中国にギター持ってくるなよ。なんに使うんだよ。弾き語りか! 路上か! それでおみやげ代稼ぐつもりか! そいつはいい考えだ!

 ……そんな感じで大連外国語大学に到着。この時点で、俺一言も発して無い。

 とりあえず、寮の部屋を借りる。俺は勿論一人部屋。かと思いきや二人部屋で一人。これはこれで切ないものがある。

 で、まあ部屋にはけっこう備品があったわけです。デスクランプとテレビと扇風機、コップと魔法瓶、それと洗面器とサンダル。こんな感じですかね。

 そこで問題発生。テレビ見ようにも、コンセントがベッド脇にしかない。

 ここで一人部屋の特権を利用する。

 即ち、ベッドの上にテレビを置く。ついでに扇風機も。

 あと洗濯ロープを吊るして、

 男 部 屋 爆 誕 !

 説明しよう! 男部屋とは……

 男が一人暮らしすることによって必然的に発生する、カオス空間! 具体的に言うと、腐海! もう王蟲とか生息してそうな空間のことである!

 僅か三十分の間に完成させるとは…… 自分の才能が怖い。

 そして軽い説明を聞き、チョイと外に出ようとのこと。

 このときから二週間ほど俺たちを担当してくれた大学の日本語科の学生さんが美人でした。どうもありがとうございました。本当に迷惑をかけました。

 そしてこのとき、大連外国語大学に編入していた、うちの学校の先輩とも合流。男がもう一人増えて、ようやくメガネ君も泣きそうになって会話する。

 このとき、既に飲んでいる。ビール一杯。正直、このくらいじゃ酔わない。

 まさにこれが、今後の中国での二週間を象徴する出来事であったのである。

 (次回へ続く)
 
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by rockaway-beach | 2005-11-18 21:07 | 中国地獄変